転職情報誌タイプ 2005年2月25日発売 取材記事
“外資アレルギー”におさらば!! 外資系企業の基礎知識
外資系企業と聞くと、「クビ切り(リストラ)」が横行しているというイメージか。しかしそれは、外資系企業を色眼鏡で見ているからに過ぎない。外資系数社にて「クビキラー」として通算1000人以上ものリストラを断行した梅森浩一氏は、「クビ切りがあるのは事実だが、誰もが理由もなく切られるわけではない」と話す。逆に、成果さえ出せば何でも任されるのが、外資系企業の特徴なのだという。
一方、ヘッドハンターの小松俊明氏も、「企業の人材投資に対して、リターンを返せない社員のクビ切りは当然」と語る。「しかし、離職率が40~50%におよび、それも部長クラス以上が頻繁に入れ替わっている外資系企業は危ない。本国との軋轢とか、日本市場のやり方と合わないなどの理由が隠されている場合があるからです。離職率が10%前後なら、健全でしょう」。
一口に外資系企業といっても、業界や国籍、外国人社員の比率、日本法人の歴史などにより、さまざまな個性がある。先に小松氏が語ったように、本国との力関係によっても性格が変わってくる。たとえば、ハーレーダビッドソンジャパンのように日本法人にほぼ全権委譲しているような企業の場合は、限りなく日本企業に近い。逆に、金融業界で、日本「法人」ではなく日本「支店」という位置づけがなされている場合には、言語も人事制度もすべて「USスタンダード」がベースになる。
「金融が最も“外資的”だとした場合、その対極に置かれるのが製造業です。その中間から金融寄りに位置しているのが、ITやコンサルティングファームだといえるでしょう」(梅森氏)
外資系に対する誤解は思い込みによるものが多い
「クビ切り」のように、日本人が外資系企業に関して誤解している部分は、他にも多く見受けられる。たとえば、「外資系企業なら海外で仕事ができる」とは言い切れない。「日本法人は、基本的に日本市場を相手にしている。海外に出たいのなら、海外向け商品を扱っている日系企業のほうがチャンスは多いでしょう」(小松氏)
また、「外資系企業は個人主義」というのも誤解。「議論は尽くすものの、決定事項に関しては必ず全員が従い、チームワークが重視される」(梅森氏)という特徴がある。さらに、名の知られている外資系企業であっても、日本法人の約半数が、資本金5億円以下の中小企業であるというのも事実。「外資=大企業」というのは、思い込みである場合が多い。
そんな外資系企業でうまく立ち回るには、「レポートラインが日本と本国にある場合、本国にも自分の働きをアピールすることが大切。また、自分の専門性を磨き、ニッチな強みを持つことが重要」と、小松氏は語る。梅森氏は、「昨日と今日の指示、昼と夕方の指示が違うなどは日常茶飯事。いちいち気にせず、自分も朝令暮改タイプになりきることが意外に重要」という。代替のきかない立場を築くことができれば、外資系企業は非常に働きやすい場なのだ。
